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 幼稚園などでの子どものプール活動の安全対策について消費者庁の消費者安全調査委員会が調べたところ、子どもの監視役を置いていない施設が少なくとも179カ所あることがわかった。調査委が24日、発表した。監視に専念できない場合はプール活動を中止、中断する必要がある、と指摘している。

 神奈川県大和市の幼稚園で園児の伊礼貴弘ちゃん(当時3)がプールで溺れて亡くなった2011年7月の事故をきっかけに、調査委は16年3月、文部科学省などを通じ、事故防止策のガイドラインを各施設に通知した。そこでは、監視役と指導役を分けて配置するほか、監視役のための事前教育や職員らへの救命訓練などが掲げられている。

 こうした対策の浸透状況について、調査委は昨年7~8月、全国の幼稚園や保育所、認定こども園計約4万1千カ所から5千カ所を抽出し、アンケートを実施。回答があった約2700カ所の施設の状況をまとめたところ、全体の6%にあたる179カ所が監視員を置いていなかった。

 このうち80カ所は、改善を検討していない、または見送った、と回答。その理由として、「人員が不足している」と「改善の必要性を感じない」が約4割ずつを占めた。「他に優先順位の高い施策がある」(23%)、「予算が不足している」(15%)との理由が続いた。

 調査委の宇賀克也委員長は「再発防止策を示したにもかかわらず、類似の事件が発生している。監視役を配置できない場合は、プール活動を中止する必要がある」と強調した。

 この結果について、貴弘ちゃんの父康弘さん(43)は、「危機意識が足りない。事故は絶対起こると思って対策しないと幼い命は救えない」と語った。

 また、16年までの3年間に1日以上の治療を要したプール事故は22施設で計37件あった。事故防止策の認知度は、86%だった。(長谷文)