【動画】金属加工メーカーとともに開発したスケート靴のブレードを発表した小塚崇彦さん=浅野有美撮影
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 フィギュアスケート男子の2010年バンクーバー五輪代表、小塚崇彦さん(29)が24日、名古屋市で、金属加工メーカーとともに開発したスケート靴のブレード(刃)を発表した。製品名は「KOZUKA(コヅカ) BLADES(ブレード)」。小塚さんは「フィギュアスケートの競技者、愛好者に幅広く使ってほしい。選手にはこのブレードを使って表彰台に乗ってもらえたら」と言う。

自ら企業に相談

 男子は今、4回転時代といわれる。ジャンプの着氷の衝撃にブレードが耐えきれず、折れたり曲がったりして、2週間~1カ月で使えなくなることがあるという。小塚さんも現役時代、ブレードに悩まされてきた。

 自ら開発に乗りだしたのは、山一ハガネ(名古屋市)の寺西基治社長に相談したのがきっかけだった。12年、小塚さんは靴を作るため足のサイズを測ろうと、高精度の測定機を持つ同社を訪問。工場内を見て、「ブレードを作ることはできないか」と尋ねたという。ブレードは海外製を使うのが一般的で、両者にとって「ゼロからのスタート」。試合や練習で使っては作り直し、試行錯誤を続けた。

一つの金属から削り出す

 それまで小塚さんが使っていたブレードは三つのパーツを溶接して作られていた。同社では一つの金属の塊から削り出す製法を採用。さらに「しなり」のある材質にすることで、強度を高めた。「人の手で溶接すると『つぎはぎ』があるので、氷上の衝撃で折れてしまうことがある。試合では少しの不安でも演技に影響が出るので、安心感につながった」と小塚さんは言う。

 開発に携わった同社技術開発センター長の藤井正法さんは、「スケート界になくてはならない存在にしたい」と話す。小塚さんも「スケート技術の進歩に置いていかれないように、ブレードの技術も進歩させていけたらいい。ここがスタートライン。選手に寄り添ったブレードを作っていきたい」と意気込む。(浅野有美)