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 20年前に北京大学で起きたセクハラ事件の情報公開を求めた同大の女子学生が大学当局の圧力を受け、軟禁状態になっても声を上げ続けていることに、中国内で声援が広がっている。自らの意見を貫く姿勢に称賛が集まるのは、それが難しくなっている社会の裏返しとも言えそうだ。

 この学生は外国語学部4年生。「20年前に自殺した同大の学生が教授から性的関係を強要されていた」と報道された後の今月上旬、当時の状況を情報公開するよう実名で大学に求めた。

 学生がネットで発表した内容によると、その後、大学関係者から何度も話し合いを求められ「無事に卒業できるかな」「親に直接連絡できるんだぞ」などと言われた。23日未明、生活指導員が学生の母親を連れて寮を訪れ、パソコンや携帯内の関連情報を削除し、この問題に関わらないよう求められた。実家に帰され、外出できない状態だという。

 それでも学生は「何も悪いことはしていない。情報公開の権利を行使したことを北京大生として光栄に思う」。他の学生も今年で120周年を迎えた同大の歴史に触れながら「先輩から受け継いだ精神を守ろうとする同級生の勇気を尊敬する。大学側は政治的な評価を気にしているだけだ」と訴える壁新聞を学内に張り出した。

 SNS上では関連の書き込みが削除されているが、「これこそ北京大学生だ」「削除されても何度でも書き込む」といった声とともに、この学生の公開書簡や壁新聞の写真が拡散している。

 大学側は「学生と連絡がつかなかったため、身の安全を心配し、母親を呼んで寮を訪ねた。善意でしたことだ」と釈明している。(北京=延与光貞)