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「みる・きく・はなす」はいま 発した先に

 「結婚ですか?」

 昨年5月、慶応大教授だった曽根泰教(やすのり)さん(70)=政治学=は、多くの教え子や同僚から尋ねられた。自身の結婚を報告する作家の手記が週刊誌に載った直後。手記は結婚相手を「元大学教授」で「S」とイニシャルで記していた。

 「Sは曽根教授?」。そんな記事がブログなどに書かれた。記事は少なくとも40本あった。

 手記で書かれた「S」さんとは年齢が近く、職業が同じ。だが手記でSさんは「元教授」でパズルが趣味とされた。曽根さんは当時現役の教授で趣味も違う。

 長年の友人の北川正恭・元三重県知事(73)からも「黙っていやがって」と笑い交じりに言われた。他の人から「おめでとう」と祝福する年賀状も届いた。北川さんは取材に「友人から結婚のうわさを聞き、ネットで多数の見出しを見て、ひょっとしてと思ってしまった」と話す。

 曽根さんは弁護士を通じて記事の削除を求め、33本が削除された。「実害はないでしょうとみんな言う。でも、自分が自分でなくなったようで不快です」

     ◇

 誤った情報の拡散は、時に人々の日常を脅かす。

 関東地方の70代の男性の自宅に昨年秋、ネット通販業者から注文していない商品が届いた。続いて請求していない住宅や保険、宗教団体の資料が大量に来た。

 匿名で届いた手紙や年賀状には、名字は同じだが知らない人の名前が書かれ、「ふざけるな」「許さない」「どこまでも追い続ける」とあった。

 「誰がなぜ?」。男性がネット…

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