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 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って事件に巻き込まれた18歳未満の子どもが、昨年1年間で1813人に上った。警察庁が26日発表した。前年から77人増えた。5年連続の増加で、統計を取り始めた2008年以降で最多となった。

 被害は淫行などの青少年保護育成条例違反が702人と最も多く、裸の写真の撮影など児童ポルノが570人、児童買春447人。強制性交等と略取誘拐、強制わいせつの被害にあった子どもは計61人いた。95%は少女で、年齢別では15~17歳が全体の約7割を占めた。11歳以下も17人で、8歳の子もいた。

 被害にあった子どもが使っていたSNSは、短文投稿サイトの「ツイッター」が最多の695人(前年比249人増)。学生限定のチャット型交流サイト「ひま部」181人(同104人増)、無料通信アプリ「LINE」105人(同19人減)、チャット型交流サイト「ぎゃるる」97人(同39人減)など。08年の法改正で18歳未満の利用が禁止された「出会い系サイト」を通じた被害は減少傾向にある。

 ツイッターが多い理由について、警察庁はアカウントを匿名で複数取得でき、特定のキーワードで投稿を検索できる仕組みが悪用されているとみている。ツイッタージャパンによると、児童買春などの性犯罪につながる可能性がある投稿や画像を発見した場合は削除し、アカウントの凍結も進めているという。担当者は「完璧な対応はできていない。問題のある投稿を積極的に検知できるよう、同じ業界の他企業と連携を強める」と話している。(小林太一)

被害者の8割、フィルタリング未利用

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って事件に巻き込まれる子どもが増えるなか、国などは有害情報を閲覧できないようにするフィルタリングの利用を呼びかけている。

 京都府では昨年11月、19歳の少年がSNSで知り合った少女(16)を男性客に買春させたとして児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕された。スマートフォンで見た動画投稿サイト「ユーチューブ」をきっかけに投稿者とLINEの連絡先を交換し、裸の写真を送った小学3年の女児(8)もいた。神奈川県座間市のアパートで昨年10月、9人の遺体が見つかった事件では、容疑者がツイッターで複数のアカウントを使い分け、被害者を誘い出していた。被害者のうち3人は18歳未満だった。

 警察庁は、昨年1年間でSNSを通じて被害にあった子どものフィルタリングの利用状況を分析。利用の有無が判明した1540人のうち、1296人(84・2%)は、スマホなどの契約時から利用していなかった。

 今年2月に施行された改正青少年インターネット環境整備法は、スマホの販売店に対し、契約時に18歳未満の子どもが使うかどうかを確認し、使う場合はフィルタリング機能を設定して販売しなければならないと義務づけた。

 18のSNS事業者などが参加する「青少年ネット利用環境整備協議会」は今月18日、フィルタリングの活用や悪質な利用者による複数のアカウント作成の防止などに取り組むガイドラインを作った。担当者は「あるSNSで被害が減ると、悪質な利用者は別のSNSに流れる。業界全体で対策に取り組まなければ、悪循環を断ち切れない」と話す。