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 中国IT大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)を創業した馬雲(ジャック・マー)会長が25日夕、東京都新宿区の早稲田大学大隈講堂で講演した。馬氏は、創業から20年足らずの同社をアジア最大級のIT企業に成長させた経験を語り、「他人が『良い』と言うことを信じたままではダメ。人と違うからこそ『起業家』だ」と学生の奮起を促した。

 馬氏はまず、起業を果たした早大の教員や大学院生計3人と英語で対談。自身のモットーを問われると、「明日や明後日、来年にすぐ結果が出るとは思わない方がいい。5年先、10年先を見据えながら、自分が『良い』と思うことに全力を尽くすべきだ。あきらめずに挑戦を続けなければならない」と応じた。

 その後、会場に詰めかけた約1千人の学生や若手会社員からの質問に応じた。英語の上達法を問われると、「私の英語は上手ではない。トランプ米大統領の中国語よりは良いかもしれないが」とユーモアを交えて会場を沸かせつつ、「一番大事なことは『自分が何を伝えたいか』を考え抜くことだ。そうすれば相手に伝わる」と強調した。

 日本の政・官・財界では不祥事が相次ぐ。失われた信頼をどう再構築すればよいのか、との問いには「信頼は決して保証されてはいない。失ったとしても、あきらめてならない」としたうえで、「信頼は、失って回復することの繰り返し。信頼は得るだけではなく、積み上げていくものだ」と応じた。(上地兼太郎)

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 〈ジャック・マー〉 1964年生まれ。中国・杭州出身。大学講師などを経て、99年にネット通販のアリババを創業。中国最大の通販サイトに育てたほか、中国で数億人が使うスマートフォンのキャッシュレス決済「支付宝(アリペイ)」も展開させた。孫正義氏が率いるソフトバンクグループの取締役も務める。