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 いわゆる「水虫」に悩まされている人は多いと思います。水虫を引き起こす病原体の正体は、白癬(はくせん)菌というカビの一種です。

 皮膚は上から「表皮」「真皮」「皮下組織」に分かれ、表皮は角層、顆粒(かりゅう)層、有棘(ゆうきょく)層、基底層からなります。このうち皮膚の一番外側にある角層に白癬菌は感染し、水虫を起こします。

 国内には2千万人超の白癬患者がいると推定されています。頭部や爪にできるものもありますが、多くは足にできる「足白癬」で、症状によって次の三つのタイプに分かれます。

 ①趾間(しかん)(=足の指の間)型足白癬=足の指の間が白くふやけたり、皮がむけたりします。

 ②小水疱(すいほう)型足白癬=足の裏に小さな水ぶくれができます。

 ③角質増殖型足白癬=足の裏全体が硬くなってひび割れを起こします。かゆみはほとんどありません。

 長時間靴を履いている人は、足白癬になりやすいと言われています。昔は梅雨時から夏に患者が多かった印象がありますが、生活環境の変化からか、冬に症状を訴えて診察を受ける人も多くなっています。

 その主な理由は暖房にあります。暖房が利いている職場や通勤電車で、厚手の靴下をはいていることによって足が蒸れ、靴下の中が白癬菌の繁殖に適した高温多湿の状態になるためと考えられています。

 最近では、女性患者も増えています。原因の一つとして考えられるのがブーツです。ブーツは断熱性が高く、体温を逃がしにくくする防寒具ですから、暖房の利いた場所では白癬菌などの繁殖に適した状態になります。

 水虫予防のために気を付けることは次の通りです。

 ●足はせっけんで丁寧に洗う

 指の間まで丁寧に洗うように心がけましょう。ただし、ごしごしこするのではなく、優しく洗ってください。洗った後はせっけんを十分に流し、よく乾かしてください。なお、消毒剤は必要ありません。かえってかぶれることもあります。

 ●足はいつも乾燥させておく

 白癬菌は、じめじめしたところが大好きです。汗などでぬれたときは、よくふいて乾かすようにしましょう。

 ●靴の中を乾燥させる

 靴を長時間履き続けないようにし、可能な場合はスリッパなどの通気性のよい履物に履き替え、靴の中を乾燥させるよう心がけましょう。中の空気が入れ替わらず湿気が抜けにくいブーツを履いた後は、乾いた新聞紙や専用の乾燥剤などを足先からかかとの部分に入れるか、段ボールの筒を入れて空気の流れをよくするといった方法で靴の中を乾燥させることが必要です。

 ●靴下は木綿製を

 靴下は、薄く通気性のよい木綿製のものがお勧めです。

 白癬治療の基本は、皮膚を清潔に保ち、乾燥を心がけることです。治療薬としては主に塗り薬の抗真菌剤を用います。患部によっては飲み薬を使うこともあります。

 注意してほしいのが、角質増殖型足白癬です。

 かかとにできる水虫で、アカギレのように皮膚表面にひびが入るタイプが多く、乾燥や寒さによる肌荒れと間違える人も少なくありません。足指の間のかゆみを感じて治療を受けても、かかとも同時に治療しなければ再発を繰り返すだけです。

 「水虫」と思っている患者さんの中には、治療法が異なる他の皮膚炎の人もいます。足の皮を少しいただいて顕微鏡でみれば、水虫かどうかわかりますので、保湿剤やクリームを塗ってもよくならないときは、近くの皮膚科を受診することをお勧めします。

<アピタル:弘前大学企画・今こそ知りたい! 感染症の予防と治療>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/hirosaki/

(弘前大学医学部附属病院検査部助教 皆川智子)