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 今季からサッカーJ1に参戦している長崎の地で、国内では異例の内容といえるサッカー専用スタジアムの建設計画が動き出している。予定地はJR長崎駅近隣で、スタジアム建設費だけで百数十億円をかけ、そばにはホテルやマンションを建て、総事業費は500億円となる予定だ。2023年からの使用をめどに、J1長崎の親会社のジャパネットホールディングス(HD)が全額出資する方向で進めている。

 「ドイツにはたくさんモデルケースとなるようなスタジアムもある。メジャーリーグのようなボールパークの考え方も採り入れたい。世界中の良いところを集めてファンの方が最高に喜ぶことをしたい。世界のモデルケースとなるようなものをつくりたい」

透明な屋根、マンションから観戦OK

 ジャパネットHDの高田旭人社長兼CEOらが26日、長崎県佐世保市内の本社で開いた記者会見。高田社長はJ1長崎が新本拠として使用することになるスタジアム構想について語った。

 収容人数は2万3千人、ピッチは天然芝にする予定。観客席には透明の屋根をつけ、新たに建設するホテルやマンションからも試合を眺められるようにする。これまでW杯などで各地に行き、様々なスタジアムを訪れてきたという高田社長は観客席の座席の仕様や、万全なインターネット環境をなど、細かいこだわりも披露した。

 建設予定地はJR長崎駅から北に約1キロの三菱重工業長崎造船所幸町工場の跡地だ。敷地面積は約7ヘクタール。長崎の観光地の稲佐山のふもとで、付近には浦上川が流れるという立地だ。三菱重工が昨年からこの土地の活用について事業者を公募。今年4月に「新スタジアム建設」を掲げていたジャパネットHDなどが跡地の活用の優先交渉先に選ばれた。

日本で例のない構想

 新スタジアム構想の特徴は、同じ敷地内にホテル、マンション、商業施設、オフィスなども建設する点だ。プロ野球やサッカーのスタジアムで、同一敷地内でこれだけ多くの建物を併設するのは、日本では例がない。

 ホテル、マンションはいずれも300室の予定。ホテルでは例えば、スタジアムで試合がある日には相手サポーターの宿泊も想定したもてなしも考えているという。このほかにアリーナの建設も検討している。また、敷地内には企業向けの大規模なオフィスもつくり、企業誘致も狙い、新たな雇用の創出も目指すという。

 J1長崎の本拠地は現在、同県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎。最寄りのJR諫早駅からは徒歩約30分で、試合日は周辺で車の交通渋滞が発生するというアクセスの課題も抱えている。同市内にはクラブハウスがあり、新スタジアム完成後は選手らの練習拠点になる見込みだ。

 大規模な「スタジアムパーク構想」とも言える計画。高田社長はこの場所に毎日7千~8千人が行き交うことを考えている。高田社長は「長崎のなかにもっとわくわくをつくっていきたいという思いで考えた」と話した。さらに地方創生という観点を挙げ、「おこがましいが、このプロジェクトがうまくいき、『うちも』という他の都市が増え、地方が盛り上がるのではと思い、夢も含めてチャレンジした」と語った。(堤之剛)