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 南北首脳会談で金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が「遠いところから(持ってきた)」と紹介し、注目される平壌冷麺。夕食会で提供される平壌のレストラン「玉流館(オンリュグァン)」のものが、とりわけ人気だ。

 平壌市内を流れる大同江(テドンガン)沿いに立つ朝鮮風建築の玉流館は、金日成(キムイルソン)主席や金正日(キムジョンイル)総書記も度々来店した有名店だ。今回、夕食会のメニューに玉流館の冷麺を加えるよう求めたのは韓国側。2000年、初の南北首脳会談で平壌を訪れた金大中(キムデジュン)大統領もこの店を訪れた経緯がある。

 14年、日本と北朝鮮がまとめた「ストックホルム合意」に基づく拉致被害者らの再調査の状況を確認するために政府代表団が訪朝した際、同行した記者も玉流館を訪れた。外貨も使え、当時は200グラムの冷麺が4ユーロ。麺は黒っぽく、とても歯ごたえがあった。

 北朝鮮当局が派遣したガイドは「ここは朝鮮半島で一番おいしい冷麺が食べられる」と紹介。「ただ、非常に高いので我々一般市民はめったに食べられません」と苦笑いした。

 韓国にも冷麺を出す店は多いが、元々は北朝鮮がルーツとされる。朝鮮戦争時に戦火を逃れて韓国側に移った人々がソウルなどで冷麺店を開き、そのおいしさを伝えた。北朝鮮出身者にとっては郷愁を誘う味。「分断」を象徴する食べ物ともいえる。(松井望美)