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 武家屋敷が並ぶ宮崎県日南市の観光地、飫肥地区に古民家を復元した飲食施設「武家屋敷 伊東邸」がオープンした。江戸時代末期の建築とみられる古民家で、空き家の利活用が進む飫肥のにぎわいづくりに貢献しそうだ。

 運営するのは、市内で飲食店を営み、油津商店街の支援にも関わる本田清大さん(35)が飫肥に設立した会社「ステイルシー」。飫肥の観光面での潜在力に期待する一方、飲食店が少ないことに着目し、昔の雰囲気を醸し出す飲食店を出店しようと決めたという。

 同社によると、この古民家は、飫肥藩を治めた伊東家の関係者が住んでいた居宅。建築から130年以上がたって空き家になり、基礎部分が損傷していたが、市内の空き家改築の設計などを手がける鬼束準三さん(34)に依頼し、1年以上かけて復元。もとの建物はいったん解体したが、新たに使った木など素材の寸法は当時のままで、ふんだんに飫肥杉を使い、当時の趣を残したのが特徴という。

 木造平屋の建物は138平方メートル。庭がある敷地は1400平方メートル。復元には約7千万円かかり、文化庁から2400万円の補助金を受けたという。

 提供する食事は地元で育てた鶏の有精卵を使った料理や日南市の油津港で水揚げされる生マグロの丼ものなど地場ものにこだわった。抹茶やジュースも飲める。日本人観光客のほか、クルーズ船などで日南に来る外国人旅行者らの利用を想定しているという。4月下旬から営業を始めた。

 この古民家内で地元農家が育てた野菜などを味わい農家の思いを聞くイベントや、庭で琴など和楽器の演奏を披露する企画なども構想しているという。

 飫肥地区では古い空き家を改築して旅館やIT企業のオフィスにする試みが相次ぐ。本田さんは「古い屋敷が集積する飫肥には人を引きつける魅力がある。多くの人が集まる場になることを目指したい」と意気込んでいる。

 営業は午前9時~午後5時。火曜定休。問い合わせは「武家屋敷 伊東邸」(0987・55・8010)へ。(稲野慎)