女人禁制で相撲協会が指針「土俵上がらぬ、受け継がれ」
大相撲の「女人禁制」について日本相撲協会は理事会を開いた28日、八角理事長(元横綱北勝海)の談話を発表する形で協会の考え方を表明した。
それによると、協会側は過去に議論が起こった際、「相撲は神事が起源」「大相撲の伝統文化を守りたい」「大相撲の土俵は男が上がる神聖な戦いの場、鍛錬の場」の三つを理由に挙げてきたという。
その中で「神事という言葉は神道を思い起こさせ、『女性を不浄とみていた神道の昔の考え方が根拠』と語られるが、これは誤解。大相撲の神事は農作物の豊作を願い感謝するといった素朴な庶民信仰で習俗に近い。歴代の理事長や理事が女性差別を一貫して強く否定してきた」と説明した。
また、今回強く打ち出したのが「土俵は神聖な戦い、鍛錬の場」との考え。「土俵は男が必死で戦う場であるという約束事は力士たちにとっては当たり前のこと。結果として、土俵は男だけの世界であり、女性が土俵に上がることはないという習わしが受け継がれてきたと思う」という。
「関取の大いちょうと締め込み、部屋制度、土俵は男の戦いの場という約束事も江戸以来の伝統。強さを追求するにはこれらの伝統が欠かせないと、先人から教え込まれた」と記している。
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