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 全国で利用者の減少などで廃線となった線路やトンネルなどの「遺構」を再活用し、地域の活性化につなげようとする試みが増えている。廃線跡を徒歩でトレッキングしたり、レール上を自転車で走ったり。鉄道ブームの追い風を受ける一方で、遺構の維持管理や安全対策などの課題もあり、関係者の頭を悩ませている。(渡義人)

 1898年からたった9年間だけ、京都府木津川市から奈良市までの9・9キロを結んでいた「大仏鉄道」。トンネルや橋台跡など12カ所の遺構が残るだけだったが、近年、遺構を巡る散策ルートが整備され、廃線跡ツアーも始まった。

 4月29日、地元の木津川市が開通120年を記念し、初の大規模なイベントを開催。親子連れら多くの人々が散策マップを手にハイキングを楽しみ、鉄道愛好家らでつくる大仏鉄道研究会のメンバーらが遺構を解説。廃線跡にレールを敷いてミニ蒸気機関車を走らせ、111年ぶりに列車を「復活」させた。研究会の難波久士会長(82)は「将来は花を植えて道の魅力を増やし、さらに盛り上げていきたい」と話す。

 兵庫県の武庫川沿いにトンネルや鉄橋が残る旧国鉄福知山線の廃線跡(兵庫県西宮、宝塚両市)。安全面の懸念などから西宮市側は長年立ち入り禁止だったが、開放を求めるファンの声に押され、JR西日本が西宮市と協力し安全対策工事を実施。2016年から4・7キロのハイキングコースを整備し、関西有数の廃線跡として人気を集める。

 1985年に廃線になった旧国鉄倉吉線(鳥取県倉吉市)では、地元観光協会が年1回実施してきたガイド付きの個人向けトレッキングツアーを、今年から真夏などを除く年6回に増やした。観光協会の担当者は「竹林の中にレールが延びる風景が『インスタ映えする』と、写真撮影に来る人が増えた」と話す。

 2006年に廃線になった神岡(かみおか)鉄道(岐阜県飛驒市)では、フレームで固定した2台の特製自転車に乗ってレールの上を走る「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」をNPO法人が導入。ディーゼル機関車の運転体験や寝台列車への宿泊が出来る「小坂鉄道レールパーク」(秋田県小坂町)や、エンジン付きのカートに乗って高さ105メートルの鉄橋からの絶景が楽しめる「高千穂あまてらす鉄道」(宮崎県高千穂町)など、全国各地で廃線跡の多様な活用事例が目立つ。

 鉄道ファン向けの雑誌「旅と鉄道」(天夢人発行)は、5月号で初めて廃線の旅を特集。真柄智充編集長(45)は「本当は鉄道が廃止にならないように盛り上げるのが一番。もし廃線になっても、それで終わりではない、ということを伝えたかった」と話す。

 ただ、どの廃線跡でも安全確保や維持管理費の課題を抱えている。

 旧国鉄福知山線の廃線跡につい…

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