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 今回のセクハラ問題は、私たち報道機関も対応が問われる難しいテーマです。

 「朝日新聞はどうなの?」という読者の声が編集局に届き、読者代表のパブリックエディターからも「悩んでいる姿を伝えてほしい」と指摘されました。

 そんなときに20~40歳代の女性記者たちから座談会の提案がありました。

 もちろん、彼女たちの体験や意見が、すべての女性記者たちの考えを代弁するわけではありません。また男性記者がいなくていいのかとも考えましたが、自分のこととして考えたいと言った彼女たちの思いに寄り添うことからまず始めてみることにしました。

 朝日新聞社は1999年にセクハラ防止規定を整備。2013年にはハラスメント対応などの事案を専門的に担当する専従チームをおいています。社外からのセクハラに具体的に行動を起こし、それを報じたケースもあります。

 保健師や外部相談機関などの窓口も用意され、社内の研修を進めています。また、半年ごとに会社に提出する書類で、上司に知られず人事部に相談できる仕組みもあります。社内向けハンドブックでは「セクハラを我慢してまでとってこなければならない契約もネタも本社にはありません」と宣言しています。

 過去の具体例にあがったケースは、相談を受けていたら、当然会社としてきちんと対応する事案です。

 しかし、座談会で話が出たように、それでも窓口への相談をためらう人たちが少なくないのが課題です。1月下旬の本紙フォーラム面の「#MeToo」特集で、メディアで働く人たち191人に聞いたアンケートでも、セクハラに遭ったことがあると答えた119人中7割近くが誰にも相談しなかったと答えています。

 朝日新聞の記者のうち女性は2割ですが、最近は新人記者の半分近くは女性です。「権力取材」の場から女性を排除することはありえません。

 また、非公式の場での1対1の取材は、公式発表が真実かを検証し、隠されている不正や背景を明らかにするために必要な手段の一つ。情報源の秘匿は、男女問わず大事なルールです。

 そういうときに、セクハラから身を守るノウハウをどうやって共有するか。被害相談のハードルを低くし、上司が相談をきちんと受けとめる環境をどうつくるか。会社としても重い課題として取り組むとともに、セクハラを許さない社会にするために、世の中の意識を変えていくきっかけにしたいと考えています。(東京編集局長補佐・藤原泰子(元人事部ハラスメント担当))