[PR]

 北海道北部の利尻島の海岸で、ヒグマとみられる足跡が見つかった。だが、島にヒグマは生息していないとされてきた。100年以上前に海を泳いできたと思われるヒグマが捕獲された記録があり、それ以来の出来事。島では住民や観光客に注意を呼びかけて警戒している。

 足跡は島の南側にある利尻富士町沼浦地区の南浜の海岸で30日午後1時前、地元の人が見つけて警察に届け出た。道警稚内署によると、長さ約25センチ、幅約20センチで、複数あったという。同町が研究機関に確認したところ、足跡から6~7歳以上の成獣のオスとみられ、専門家は「泳いで渡ってきたと思われる」と話す。

 島は対岸の稚内市から最短でも約20キロ。島では1912(明治45)年5月にヒグマの足跡が見つかり、泳いでいるところを島民が見つけて捕獲したとの記録がある。このときは体長2・4メートル、体重300~340キロのオスの成獣だった。

 毎年この時期は、冬眠明けのヒグマの活動が活発で、本土では目撃が相次ぐ。島はこれからが登山などの観光シーズン。町は、山菜採りや山登りの際の警戒や、生ゴミを戸外に放置しておかないよう注意を呼びかけている。町の担当者は「島にヒグマを撃ったハンターがおらず、今は警戒するしか手立てがない。泳いで本土に帰ってくれればいいのだが」と困惑している。(奈良山雅俊)