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 安倍晋三首相の改憲提案が相次ぐ政権不祥事で一時の勢いを失い、国会の憲法論議は停滞している。ところが、野党内で静かに動くもう一つの「改憲論」がある。あえて憲法を改正することで、権力をより厳しく縛ろうとする「立憲的改憲論」だ。実現する可能性はあるのだろうか。

 「私は立憲的改憲論(の立場)であり、我々は護憲(政党)ではない」。立憲民主党の枝野幸男代表は5月3日の憲法記念日に東京都内であったイベントで、みずからや党の立ち位置を説明した。

 立憲は「憲法に関する当面の考え方」と題した文書で、「憲法を一切改定しない立場は採らない。立憲主義に基づき権力を制約し、国民の権利の拡大に寄与するとの観点から、憲法に限らず、関連法も含め、積極的に議論、検討する」とうたう。ただ、「立憲的改憲論」という言葉を明記しているわけではない。

 「立憲的改憲論」とは何か。

 衆参両院の憲法審査会で打ち出す党の方針を議論する党憲法調査会の活動と別に、立憲的改憲論の議論、検討を任されている山尾志桜里・党憲法調査会事務局長は「憲法解釈を尊重しない政権に対抗するため、国民の意思で最低限守らせるべきルールを憲法に明記する考えのことだ」と言う。

 たとえば、自衛権の範囲を自国が直接、武力攻撃された場合にのみ反撃する「個別的自衛権」に限定するために憲法9条を改正する。憲法に首相の衆院解散権へのしばりを設けたり、臨時国会の召集要求に期限を設定したり、同性婚の権利やプライバシー権を明記する。憲法違反をただす憲法裁判所を置く。そんなことを検討しているという。

 枝野氏らが立憲的改憲論に踏み出した大きなきっかけは、2015年の安全保障法制の成立だった。

 歴代の政権は、9条で認められる自衛権の範囲を「個別的自衛権」に限定してきたが、安倍政権はこの法制で、同盟国が攻撃された場合に共同して防衛に当たる「集団的自衛権」も一部行使できると政府解釈を拡大した。拡大解釈で実質的に改憲されるぐらいなら、逆に改憲で歯止めを明確にすべきだと考えた。

 山尾氏は「これまでの護憲派が…

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