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 米国の歴代大統領が出席してきた伝統のホワイトハウス特派員協会の晩餐(ばんさん)会が逆風にさらされている。出席したコメディアンの過激な政治風刺をきっかけに、今年も晩餐会を欠席したトランプ大統領が政治的な攻撃の材料に。「特権階級」の集まりと疑問視する見方もあり、今年で最後にするよう求める声も出ている。

 晩餐会があったのは4月28日。登壇したコメディアンのミッシェル・ウルフ氏が共和党や政権の批判を繰り返した。出席していたホワイトハウスのサンダース報道官には「彼女は事実を焼却し、その灰を使って完璧なアイシャドーを塗っている」と容姿にまで踏み込み、メディア関係者からもひんしゅくを買った。

 これにかみついたのがトランプ氏だ。「晩餐会は大惨事であり、我々の偉大な国を辱めた」「『フェイク(偽)ニュース』は晩餐会に象徴されている」などと連続でツイートした。

 ホワイトハウス記者会が主催する晩餐会は1920年以来の伝統をもつ。各界の有名人や記者らもタキシードやドレスで着飾って参加し、テレビ中継もされるワシントンで恒例の華やかな式典の一つだ。歴代の大統領は恒例のスピーチで、社会問題や自らが批判にさらされている政治状況、記者との微妙な関係などを毒舌やジョークを交えながら会場を沸かせてきた。トランプ氏は就任後の昨年、そして今年も欠席した。

 トランプ氏は今年、晩餐会と同じ時刻に、米ミシガン州にある首都と同じ名前の町で支持者集会を開催。「私は今夜、ほかのイベントに招待されていたが、ワシントンDCよりもミシガン州のワシントンにいる方が好きだ」と会場をわかせた。首都の「特権階級」より米国民とつながっているというPR材料になった形だ。

 米ワシントン・ポスト紙のメディアコラムニスト、マーガレット・サリバン氏はトランプ氏に政治利用される晩餐会が「現代では報道の信頼に対する自殺行為に近い」と指摘し、晩餐会を今年で最後にするように促した。(ワシントン=園田耕司)