ネット依存症の疑い、中高生52万人 暴力ふるう傾向も

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大岩ゆり
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 内閣府の2017年度の調査によると、小中高生の7割以上がネットゲームをしており、比率は年々高まっている。ゲーム以外にもSNSなどネットを利用する時間も長くなっている。1日の平均利用時間は159分で、14年度より約17分伸びた。

 厚生労働省研究班の12年度の推計によると、ネット依存症の疑いがある中高生は全国に約52万人に上る。ただし、ネットやゲームをする子どもがすべて依存症になるわけではない。

 単なるやり過ぎと依存症の違いは、自分で制御できるかに加え、心身の健康悪化、遅刻や不登校家庭内暴力などの問題が起きているかいないかで判断する。

 国内で初めてネット依存症外来を開いた久里浜医療センターでは年間約1800人が受診する。未成年が56%、20代が31%で、男性が85%を占める。樋口進院長は「始めるのが若いほど依存症になりやすい」と警告する。子どもは脳が十分に発達しておらず、快感や刺激を求める欲求が理性に勝る傾向があるという。

 ネット依存症には、SNSなどへの依存症も含まれるが、圧倒的に多いのはゲーム依存症で、センターの患者の9割を占める。主流のオンラインゲームは内容が常に更新され、際限なく続けてしまうという。樋口院長は「勉強やスポーツに比べて簡単に達成感が得られ、依存に陥りやすい」と指摘する。

 センターでゲーム依存症と診断された人は、朝起きられない(76%)、昼夜逆転の生活(60%)、学校や会社を休む(59%)などの問題を抱えていた。物を壊す(51%)、家族に暴力をふるう(27%)といった暴力的な傾向も目立った。

 世界保健機関(WHO)は今…

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