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 国史跡の慈恩寺(山形県寒河江市)で5日、仏教の経典を供養し、五穀豊穣(ごこくほうじょう)などを願う法会(ほうえ)「一切経会(いっさいきょうえ)」が開かれた。山桜が咲く中、国の重要無形民俗文化財「慈恩寺舞楽」が奉納され、訪れた人を魅了した。

 慈恩寺舞楽の原型は、平安時代の860(貞観2)年に、大阪の四天王寺から山寺に伝えられたとされ、慈恩寺では1514(永正11)年に奉納された記録が残っているという。

 舞は全8番からなり、古代中国の武将の姿などで奉納される。うち6番は谷地八幡宮(河北町)の宮司、林家が一子相伝で舞人を務めるが、甲冑(かっちゅう)姿4人の「太平楽」と、老夫婦姿2人の「二の舞」は慈恩寺の関係者が舞い手を務めている。

 太平楽を約30年間舞った経験のある慈恩寺の奥平暁俊・宗務長(62)は「平安時代初期から一子相伝で伝わってきたため、古い所作を残した貴重な舞」。見物した天童市の花輪昇さん(63)は「厳かで神秘的な雰囲気を感じました」などと話していた。(田中紳顕)