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 事故が起きたのは、4月22日の夜のことだった。

 北朝鮮南西部の黄海北道。雨の降る山間部の下り坂で、1台の観光バスが橋から30メートル下に転落した。乗っていた中国人観光客32人と北朝鮮関係者4人が死亡した。

 事故原因は不明。北朝鮮軍に近い関係筋によると、重傷を負った観光客2人は「何が起きたのか分からない」と語ったという。

 際立ったのが、北朝鮮当局の例を見ない素早い対応だった。

 朝鮮中央通信によると、翌23日午前6時半、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長自らが平壌の中国大使館を慰問に訪れ、語った。

 「不慮の事故に非常に胸を痛めている。ご遺族のことを思うと悲しみを抑えきれない」

 夜明け直後から、正恩氏本人の極めて異例の動きである。さらに正恩氏は国営病院に入院した負傷者も見舞った。25日には犠牲者の搬送と負傷者帰国のため特別に専用列車を編成。自ら平壌駅に出向いて列車に乗り込み、寝台車の患者に寄り添って見送った。

 「犠牲者の中に毛沢東主席の孫、毛新宇氏がいたからだ」。中国のネット上にはそんな臆測まで拡散した。そのくらいの重要人物が犠牲者のなかに含まれているという理由でもなければ、正恩氏の行動は説明がつかないものだった。

 北朝鮮軍関係筋は、バスに毛新宇氏は乗っていなかったと朝日新聞に語った。では、正恩氏が事故を重視した理由は何か。

 同筋は、3月下旬に正恩氏が電…

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