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 元チアリーダーの仲沢玲奈さん(35)が、アメリカンフットボールの本場、米国の女子プロリーグの入団テストを受け、合格した。このリーグでの日本人の合格者は仲沢さんが初めて。ポンポンを持って応援するうちにフィールドでプレーする男子選手の防具姿に憧れ、30歳を超えて競技を始めた。様々な困難を乗り越え、思いをかなえた。

水着のようなユニホーム着用

 リーグは2009年に創設され、13年に「ランジェリー」から「レジェンズ」に名称が変わった。競技は7人制。選手は鍛え抜かれた肉体の上に水着のようなユニホームを着て、その上から肩を守る防具や、ヘルメットをつけてぶつかり合う。昨年末、球を持って走るランニングバックでアトランタのチームに合格した仲沢さんは「この挑戦は、周囲から非常識と受け止められた部分があった。でも自分の心に従って前に進んできてよかった」と喜ぶ。

 独協大でチアリーディングに出会い、12年からは社会人Xリーグのオービックのチアとして活躍した。転機はレジェンズのプレーを映像で見たことだった。選手の筋肉美に「女性の強さを感じた」と言う。

 13、14年と日本一を決める「ライスボウル」にチアとして出た時も、2万人を超える観客の前でプレーする選手がうらやましかった。「自分もフィールドの中にいたい」

 31歳でチアを引退。米国でのプレーを夢見て、日本で40歳超の男子選手や中学生らに混じって練習した。ただ、家族や友人はこの挑戦を好意的には受け止めてくれなかった。「結婚、子どもは」「日本人なのにできるの」「プロを目指してどうするの」と心ない言葉を浴びせられたという。

「自分の挑戦が誰かの一歩に…」

 それでも16年3月、米プロフットボールチームの練習場で開催された女子選手のトレーニングキャンプに参加した。そこには国籍も年齢も様々な、ただアメフトがしたい仲間たちが大勢集まっていた。「勇気づけられた。やらずに後悔するのは嫌。やりたいことをやると決めた」

 リーグは4月に開幕した。仲沢さんはビザの発給が遅れ、現在は国内でトレーニングを積んでいる。取れたらすぐに渡米し、今季は練習生として参加する予定だ。来季、選手としての出場を目指す仲沢さんは言う。

 「(海外と比べて)日本では女性はこうあるべきだという“こう”が強い気がする。でも、私はやりたいことに向かって一歩ずつ進んできた。自分の挑戦が誰かの一歩を踏み出すきっかけになればうれしい」(榊原一生)