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 3月の大統領選で圧勝したロシアのプーチン大統領(65)が7日、モスクワのクレムリン宮殿で就任式に臨み、通算4期目をスタートさせた。欧米との関係が悪化する中、「社会の要請と国民の希望をかなえるため必要なすべてのことに取り組む」と演説。国民の生活レベル向上に取り組む姿勢を強調した。

 任期は2024年5月7日までの6年。就任式後、08~12年に大統領を務め、その後首相に回ったメドベージェフ氏(52)を再び首相に指名した。8日の下院で承認される見通しだ。

 プーチン氏は大統領選で過去最高の得票率76・69%で当選した。就任式には政府、議会、司法関係者や各界代表と大統領選の選挙運動に協力したボランティアら計約6千人が招待された。

 4期目の目標に増加傾向にある貧困層の半減や国民の所得増を掲げるプーチン氏は演説で「(ソ連崩壊後の)90年代から2000年代初頭までに失ったものを完全に回復できていない」と強調。国民一人ひとりの生活支援のほか、科学や技術、都市インフラの整備に力を入れることを誓った。

 ただ、ウクライナ危機以来続き、経済の足かせとなっている米国や欧州連合(EU)の制裁は緩和の見通しさえつかず、軍事介入したシリア内戦などをめぐっても欧米各国との対立は深まるばかりだ。就任式では「我々には対話の用意がある。すべての国と対等で相互に利益のある協力関係を支持する」と述べた。

 プーチン氏は12年からの3期目で非政府組織の活動を制限するなど強権的な手法に傾斜した。5日には、大統領選から排除された野党指導者ナバリヌイ氏の呼びかけで抗議集会が全国20カ所以上で開かれ、モスクワ、サンクトペテルブルクでは数千人が「彼(プーチン氏)は我々の皇帝ではない」などと連呼した。(モスクワ=喜田尚)