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 前財務事務次官のセクハラに対し、「セクハラ罪という罪はない」と財務相がかばい、それを注意しない総理。日本はなぜ、こんなにセクハラに寛容な社会なのか。

笹山尚人さん

 麻生太郎財務相は「セクハラ罪という罪はない」と言い続けていますが、とんでもないことです。セクハラは人格を冒瀆(ぼうとく)することであり、人格権の侵害にあたります。

 厚生労働省は職場におけるハラスメントの予防や解決を促す啓蒙活動を重ねているのに、全国の労働局に寄せられる相談件数は増え続けています。件数が減らないのは、特定の個人ではなく、職場の問題だからです。ともに働く人を、人間として、仲間として、大事にする。日本の職場には、そんな当たり前の意識が浸透していません。だから、ゆがんだ気持ちや権力の誇示が「弱い人」に向かい、ハラスメントという形で表れています。

 セクハラが減らないもう一つの要因が、雇用構造です。労働者の中で非正規雇用が占める割合は増え続け、いまや4割。その多くが女性です。男女雇用機会均等法ができた一方、正社員と派遣社員・パート、総合職と一般職といった形で、男女が不平等な賃金格差を抱えたまま雇用される仕組みが温存されました。このため、「男性が労働力の中心」「女性はその補助」という考え方が、日本企業からは抜けきらないのです。

 前財務事務次官からセクハラ被害を受けた女性記者が会話を録音したことは、極めてまっとうな手法です。セクハラは1対1の密室でおこなわれるケースが多く、立証が難しい。書面の言葉だけで裁判官を納得させるのはハードルが高く、音声データは裁判では貴重な証拠になります。

 私もハラスメントの被害者には、可能な範囲で録音を勧めています。無断で会話を録音することはお互いの信頼関係を損ないかねない部分もありますが、被害者が身を守る手段として有効だからです。

 セクハラの定義は「相手の意に…

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