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 小学3年の孫の女の子。幼稚園の頃から、家族以外とはまったくしゃべらないことに気付きました。あやとりや折り紙が得意で、友達とは話をしなくても仲良くできているようです。発表する授業も増える中、何か専門の治療を受けた方が良いのでしょうか。(大阪府・K)

【回答者】白石一浩(しらいし・かずひろ)さん 国立病院機構宇多野病院・小児科医長=京都市

 Q 病気でしょうか。

 A 特定の状況で話すことができないのは「場面(選択性)緘黙(かんもく)」という症状です。話す力自体や理解力もあり、子どもの特徴や個性ととらえる方が適切でしょう。正確な統計はありませんが、主に小児にみられ、まれな症状でもないとみられます。

 Q 原因は。

 A 特定の原因があるものではなく、さまざまです。もともとの性格もあれば、以前に話す場面で失敗したと思い怖がっているのかもしれません。子どもも原因を自覚していないと思います。周囲があれこれと原因を考えたり、過度に不安視したりすることは、子どもが「自分はだめなんだ」という負い目やプレッシャーを感じることにつながり、望ましくありません。

 Q 対応は。

 A 学校で友達と仲良く過ごしているようなので、話させることにこだわって家庭が暗い雰囲気になるのは本末転倒です。それよりも手先が器用といった優れている点を伸ばしていく方が建設的でしょう。カウンセリングや心理的な療法もありますが、学校生活の時間を削ることになります。本人にとってもっとも快適な環境をつくるという視点で、受診するかどうかを含め考える必要があります。

 Q 将来の心配は。

 A 日本は、自己主張が求められる欧米とは文化的に異なっています。たとえ人前でうまく話せなくても、職業を選べばさほど不自由なく社会生活をおくることも可能でしょう。一方、本人が将来を描く中、進学時の面接など話す必要性や意識を持ち始めれば、その時点で家族や先生と一緒に話す練習や対策を考えれば良いでしょう。

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