拡大するNPO法人「横浜こどもホスピスプロジェクト」代表理事の田川尚登さん=2月、横浜市中区、仙波理撮影
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約3カ月前の2月11日、横浜で「第1回、全国こどもホスピスサミット」が開かれました。(記事はこちら https://www.asahi.com/articles/ASL2D2DB7L2DUBQU001.html)。医療者を含め、各地で活動する関係者が集まり、交流しました。
拡大する全国こどもホスピスサミットには、各地から関係者が参加した=2018年2月11日、横浜市中区、上野創撮影
主催した横浜こどもホスピスプロジェクト代表理事の田川さんと話していて、印象に残ったのが冒頭の言葉でした。「ホスピス」という言葉を使うと、「死にゆく子どもが過ごす場所」というイメージが強くなり、利用者も一般の人も、近寄りがたく感じてしまうのではないかと、外部の方から指摘されたそうです。
拡大する横浜市で建設が予定されているこどもホスピスの外観イメージ=田川尚登さん提供撮影
私はがんと診断された後、病がさらに進行した場合のことを想像し、終末期の孤独と苦痛を和らげるホスピスケアの存在を頼もしく感じました。一人ひとりの尊厳や希望を大切にするホスピス運動の哲学にも共鳴したので、「避けた方が良い」という意見には悲しい気持ちになりましたが、「そう考える人もいるだろうなあ」とも思っていました。
そもそも、「こどもホスピス」はどのぐらい世の中に知られているのでしょう? 大人向けと異なる部分があることはご存じでしょうか。
違いの一つは、がんなどの重い病気をわずらう子どもと家族だけでなく、「医療的ケア」が必要な子どもと親も利用するという点です。医療的ケアとは、チューブなどで胃に栄養を流し込んだり、喉(のど)にあけた穴から1日に何度か管で痰(たん)を吸い出したり、呼吸を補助する機械を調整したりといった行為のこと。医療技術の発達で、赤ちゃんの命が救えるようになってきましたが、障害が残り、この医療的ケアが必要な子も増えています。
重い身体障害と知的障害が重複…
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