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 国内製薬最大手、武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長が、アイルランドの製薬大手シャイアーの買収合意から一夜明けた9日、東京都内で記者会見した。日本企業による過去最大の買収案件となる総額約460億ポンド(約6・8兆円)の巨額買収について、「戦略の変更ではなく、これまでの戦略の加速になる。グローバルのスケールで競争力を獲得できる」と意義を強調した。

 ウェバー氏は買収のメリットとして、新薬を生み出す研究開発体制の強化、世界最大の米国市場における販売比率の拡大、シャイアーが強みを持つ希少疾患の治療薬や血液製剤を新たな収益の柱とすることなどを挙げた。買収後の総売上高は、世界の製薬企業のトップ10に入る見込みだ。

 一方、買収資金を調達するための巨額の借り入れにより、17年末時点で約1兆1千億円の有利子負債は4倍に膨らむことになる。財務悪化を懸念する見方に対し、ウェバー氏は「買収のコストを払っても、利益は大きく伸びて財務指標は改善する。利益の創出と組み合わせて考える必要がある。引き続き財務的にも健全な会社であるとコミットしており、リスクレベルを管理できるようにしている」と反論した。

 時価総額で自らを上回る欧州の製薬大手の買収を決断したが、ウェバー氏は「武田は日本に本社を置く会社。これを変えるつもりはない。将来も日本企業であり続ける」とも述べた。(野口陽、箱谷真司)

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