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 1972年5月15日に本土復帰するまで米軍統治下にあった沖縄を描いたドキュメンタリー映画が、相次いで上映されている。今も多くの基地が残る沖縄の苦悩を、歴史を見つめ直すことで考えてもらいたい。制作者のそんな思いが込められている。

 昨年12月に公開が始まった映画「OKINAWA1965」は、岩手県北上市在住の双子の兄弟、都鳥(とどり)拓也さん(35)と伸也さん(35)が制作した。

 沖縄で祖国復帰運動が盛り上がる65年、本島北部の宜野座村で6歳の少女が米軍トラックにはねられ死亡した。映画は、この事故現場を撮影した写真家嬉野京子さんの語りが中心。嬉野さんは、祖国復帰行進団と本島最北端を目指して歩いている時にこの事故に出くわし、米兵に隠れて撮影。沖縄の現状を日本に伝える写真になった。

 今も遺骨が見つかる沖縄戦の実相や、米軍による土地の強制接収などについても、関係者のインタビューや写真で浮かび上がらせる構成になっている。

 監督を務めた伸也さんは「沖縄の多くの人がなぜ基地に反対するのか、無知な自分たちが学びながら制作した。沖縄を知る『入門編』としても見てもらいたい」と話す。作品は自主上映を中心にすでに東京や岩手で公開された。今月16日~21日には沖縄県内の6カ所で上映され、6月以降は大阪や兵庫、東京、岩手での上映が予定されている。

 同じ時代に沖縄の復帰運動を導いた政治家瀬長亀次郎を追ったドキュメンタリー映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」も各地で上映中だ。配給する「彩プロ」によると、昨年8月の公開以来36都道府県の映画館で上映。8日までの観客動員数は6万5千人近くに上った。担当者は「これほどの反響は予想外。『沖縄を知らなかった』という感想をよく聞く」と言う。

 監督はTBSテレビ報道局の佐古忠彦さん(53)。「本土を中心に沖縄への無理解な言説がまかり通る今、沖縄の問題を過去と結びつけて考えてほしい」と話している。(伊藤和行)