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 世話ができないほど多くの犬や猫を飼い、悪臭や騒音などで近所とトラブルになる場合もある「多頭飼育」。飼い主には迷惑をかけているという自覚がないケースが多く、精神的な原因が指摘されている。国や自治体が対策に乗り出した。

一人暮らしの男性「100匹超えた」

 悪臭に騒音、人への危害――。劣悪な環境で多数の犬や猫を飼う「多頭飼育」をめぐる近隣とのトラブルは、環境省の調査(2016年度)では年間2千件を超える。なかには100匹以上飼うケースも。記者が現場を歩いた。

 JR宇都宮駅から車で約20分。幹線道路沿いに立つ2階建ての店舗兼住宅に近づくと、さっそく屋根にあがった犬たちの「お出迎え」を受けた。

 人や車が近くを通るたび、「ワン! ワン!」という鳴き声が大きく響く。周囲には、鼻をつくにおいも広がる。飼い主で、この住宅に住む70代男性は「数年前から急に増えた。今は100匹を超えていると思う」と話す。

 男性の許可を得て敷地内に入った途端、ほえ続ける犬たちに囲まれ、身動きがとれなくなった。朽ちたカーテンのかかる室内は、抜け落ちた毛や汚物が落ちたまま。「踏まないように」と思っても、どこに足を踏み出せばいいのかわからない。

 ある部屋のドアを開けた瞬間には、室内にいた多くの犬が、勢いよく飛びかかるようにじゃれてきた。「散歩にあまりいけていない。犬のエネルギーがあまっている」と男性。体調が良いと、自転車に乗って5匹ずつ散歩させているという。

 男性によると、10年前に知人がメスのビーグルを連れてきたことが犬を飼うきっかけ。不妊手術はせず、屋外につないでいると、ある日2匹の子犬を産んだ。その後は野良犬とも交わり、ねずみ算式に増えた。

 「まさか、こんなに増えるとは思わなかった。すべての犬を管理することは大変」。初期に生まれた数匹以外には、名前もつけていない。「みんな、『おい』って呼ぶとこっちに来ます」。鎖につながれた屋外の犬も、いつの間にか首輪を外して逃げ出す。鎖が首に絡まって苦しそうにしている犬もいる。

 えさはまき散らすように与えているため、十分に食べられずにやせ細っていく犬も。男性は無職で、年金収入が頼み。えさ代も重くのしかかっている。

 昨秋から、動物愛護団体のボランティアらが犬の世話や清掃に訪れる。別の飼い主への譲渡なども提案されるが、「手放すのは寂しい」

■飼い主の関与ない…

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