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(13日、大相撲夏場所初日)

 栃ノ心は30歳で初めて大関昇進のチャンスをつかんだ。「強い気持ちでいく」と臨んだ初日、持ち前のパワーで迫力満点の白星スタートを切った。

 松鳳山に立ち合いで懐に入られ、両差しで深くまわしをつかまれた。普通の力士なら不利な形なのに、栃ノ心にとってはそうでもない。「右(上手)を取ってたからね」。長い左腕も伸ばして肩越しにまわしをがっちりつかむ。引きつけ、つり上げて前進。もう一度持ち上げて寄り切った。八角理事長(元横綱北勝海)は「強引だったけど、強いって感じがしちゃうな」と言った。

 この日の取組前、初場所の優勝額の除幕式があった。国技館の天井付近に掲げられた自身の写真を見て「ドキドキしたよ」。でも、取組では「普通だった」と、緊張は持ち込まなかった。「これからだけど、とりあえず初日は大きい」。ホッと一息ついた。

 大関昇進の目安は「直近3場所を三役で33勝」。栃ノ心は初場所を14勝で優勝し、先場所は10勝だった。初場所が平幕だったため、目安の数字を単純に当てはめることはできない。

 昇進を推すか判断する審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は「毎日の内容と流れを見て(審判部の)みんなから声があがって来るんじゃないか」と話す。ムードを高めるには2桁以上の白星が欲しい。「まだ初日」と栃ノ心。勝負の15日間が始まった。(菅沼遼)

     ◇

 ○鶴竜 初の連覇を目指し白星スタート。「稽古は順調だったけど、だからといって(本場所で)良いとは限らない。引き締めていく」

 ●阿炎 体重225キロの逸ノ城に完敗。「びっくりしましたよ。大木と戦っているような感じでした」

 ●安美錦 2場所ぶりの再入幕も黒星発進。「先のことを考える体力はないから、その日のことだけ考えてやりたい」

 ○朝乃山 母の日に観戦に訪れた母に、勝利のプレゼント。「目の前にいる母の前での白星なのでうれしかったです」

 ●北勝富士 貴景勝に立ち合い負け。「最近は大事に大事に行きすぎている。上位とやっている時は、負けてもいいという気持ちでやっていたのに……」

 ●遠藤 新三役は黒星発進。結びについて「いい雰囲気だったと思います」と語ったが、それ以外の質問には無言。

 ●松鳳山 栃ノ心に敗れ、「手が長いし力もつよい。足も長すぎですよ。自分がいい体勢でも負ける。相撲は難しい」。

 ○白鵬 2場所連続休場明けで初日白星。立ち合いで張り手を見せたが、「張り差しから形をつくって……」と多くは語らず。

 ○貴ノ岩 師匠の貴乃花親方が土俵下で審判を務めており、「肩に力が入らないように、気にしないようにした」。

 ●旭大星 北海道出身では26年ぶりの新入幕。取り直しの末敗れたが「勝ち越して良いところを見せたい。それが自信になる」。