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 新潟県十日町市下条地区の27町内会でつくる同地区振興会(約960世帯、約3千人)が今月末までの予定で、家庭などに眠っている中古そろばんを集める活動を続けている。地区出身の青年海外協力隊員、村山茜さん(25)が南太平洋の島国・トンガ王国でそろばんの指導員をしており、その教材不足の訴えに応える活動だ。

 トンガのそろばん教育は、40年以上にわたる歴史があり、小学3~5年生の授業に採り入れられて10年近くになる。国際協力機構(JICA)が1989年から、そろばん教育の支援のために協力隊員を派遣している。村山さんは昨年10月から派遣されている。

 村山さんは幼少時からそろばんに取り組み、そろばん教育を進める全国珠算教育連盟(本部・京都市、全珠連)の「初段」を小学6年で取った。専修大時代には、日本商工会議所主催の珠算能力検定でも1級を取得した。

 JICAで唯一の珠算隊員という。トンガ国内の教員養成機関での指導支援や小学校を巡回して、そろばん指導が苦手な先生たちへの指南役などを務めている。トンガで使われるそろばんは日本から寄贈されたものが多い。しかし、今年2月の暴風雨で学校施設に被害が出て、児童数に対するそろばんの数が大幅に不足している状態という。

 そこで村山さんが振興会関係者に「トンガの子どもたちのために家庭で眠っているそろばんを譲って」と「SOS」を出し、振興会が4月から集め始めた。

 振興会の村山薫会長(74)は「地区出身の若者が、自身の能力を存分に生かして世界で活躍している姿は地域の誇り。なんとしても地域を挙げてその活動を後押ししたい」と協力を訴える。

 下条地区の珠算指導者の仲介で、全珠連の本部からも54丁が届いた。振興会事務局の下条公民館の呼びかけで、市全域に活動が伝わり、これまで指導用の大型そろばんを含め約120丁が集まった。

 集めているそろばんは「五珠1個、一珠4個」のタイプで動きが円滑なものが対象。譲ってくれる人は、5月31日までに、〒949・8603新潟県十日町市下条4丁目371番地、下条公民館内、下条地区振興会に送る。問い合わせは、同公民館(025・755・2004、平日の午前8時半~午後5時15分)へ。(松本英仁)