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 北朝鮮への食糧支援の課題を調べるため8~11日に訪朝した国連世界食糧計画(WFP)のデイビッド・ビーズリー事務局長が14日、東京で朝日新聞のインタビューに応じた。北朝鮮が国際社会との対話を進める中で、会談した高官らが人道支援の受け入れについても「国際協力や透明性を高める必要性を感じていた」と明らかにした。

 ビーズリー氏は平壌で国家元首格の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長らと会談、人道支援について意見を交わした。また、南部の黄海南道でWFPが食糧支援をしている保育施設や農村を視察した。

 ビーズリー氏は、金氏らが「北朝鮮の現状について非常に素直に話してくれた」と評価した。視察した村は「北朝鮮では平均的な状況の村だ」とした上で、「飢餓とまでは言えないが、明らかに栄養不良の子どもたちがいた」と述べた。

 WFPなどは2017年の報告書で、北朝鮮の飢餓人口を全体の4割にあたる約1千万人と推計している。ビーズリー氏は「(核・ミサイル開発に対する)国際的な制裁の影響が人道支援にも出ている」と指摘。WFPを通じた17年の食糧支援の総額は約1431万ドル(約16億円)で15年からほぼ半減しており、「さらに支援が必要なのは明らかだ」と述べた。

 初の米朝首脳会談についてビーズリー氏は「北朝鮮の問題を解決する機運を高める」と期待感を示した。人道支援ではこれまで、必要とする人々へ届かない可能性が指摘されてきたが、ビーズリー氏は「今は監視の仕組みがあり、問題はない」と述べた。(軽部理人、平井良和)