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 ドーピング検査で尿や血液を入れるボトルを作ってきたスイスの会社が、2014年ソチ五輪で起きたロシアの組織的なドーピング問題の影響を受け、19年3月をめどに製造を取りやめる。現時点で代替品はなく、20年東京五輪・パラリンピックの関係者からも戸惑いの声が上がっている。

 ボトルを製造してきたのはベルリンガー社。世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームにより、ロシアが同社製ボトルのふたを特殊器具で開け、尿検体をすり替えていたことがわかると、同社は昨年秋から平昌五輪・パラリンピック用の新型を投入した。

 しかし、今度はドイツ公共放送ARDが一定期間冷蔵庫や冷凍庫に入れれば手で開封できると報じた。結局、平昌大会では旧型が採用されることになり、同社は3月、再度の開発を断念した。

 他社製品はまだ開発段階。東京五輪・パラリンピックでどの製品が採用されるのかは見通せていない。大会組織委員会と日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は、20年大会を見据えて募集したドーピング検査員の研修を今年中に実施する予定だ。しかし、JADAの浅川伸専務理事は「20年に使うものを研修で使いたいが、もはやかなわない」と話す。

 国際オリンピック委員会(IOC)の広報担当者は「(どの製品を採用するか)何も決まっていない。ただ、ベルリンガー社は最低でもあと1年は製造を続ける」と話した。17日にカナダで行われるWADAの理事会でも、話し合われる見込みだ。(遠田寛生)