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 働き方改革関連法案をめぐる労働時間の調査データに「異常値」が相次いで見つかっていた問題で、厚生労働省は15日、データの精査結果を公表した。一般労働者について966事業所で異常値が確認され、すでに撤回ずみの裁量労働制のデータとあわせて、計2492事業所分を調査から削除した。一般労働者分でも多くの異常値が判明したことで、野党は法案の正当性を問う姿勢を強めそうだ。

 この調査は、一般労働者や裁量労働制で働く人が対象の2013年度の労働時間等総合実態調査。1日の労働時間が24時間を超えるといった異常値が次々に見つかっていた。厚労省が今回、一般労働者のデータの入力ミスを点検した上でコンピューターで検証したところ、明らかな誤記や回答間に矛盾があるものなど、調査対象の9・6%の966事業所で異常値が見つかった。

 厚労省は調査対象だった全1万1575事業所のうち、すでに撤回している裁量労働制の労働者のデータがあった1526事業所分と異常値が見つかった一般労働者分を合わせた計2492事業所分を削除して再集計し、15日の衆院厚労委員会の理事会に報告した。

 加藤勝信厚労相はこの日の閣議後会見で「データの中に正確性が必ずしも担保されないものがあったことはしっかり反省したい」とした。ただ、再集計結果については「大きな変化があるとは承知していない。差し引いても9千超のサンプル数があるので、統計としては一定の姿になっているのではないか」と話し、一般労働者分のデータは撤回しなかった。

 一方、立憲民主党の初鹿明博氏は15日の衆院厚労委で「このデータは法案の議論の出発点で、こんなにいいかげんなら調査のやり直しが必要」と批判した。

 この調査は、働き方改革関連法案のあり方を審議した労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に13年秋に基礎資料として提出されていた。異常値が複数みつかり、法案から裁量労働制の対象拡大が削除された。(松浦祐子)