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 83歳女性。約10年前にお茶や花のにおいを感じなくなりました。特別な治療は受けませんでしたが数年後に嗅覚(きゅうかく)は戻りました。ただ、若い頃のように敏感ではなくなりました。においは年齢とともに感じにくくなるのでしょうか。予防法はあるのでしょうか。(大阪府・K)

【回答者】菊田周・東京大病院特任講師(耳鼻咽喉科)=東京都文京区

 Q どんな時ににおいを感じなくなりますか。

 A もっとも多いのが慢性副鼻腔(ふくびくう)炎で、全体の4割ほどを占めます。そのほか、「感冒後嗅覚障害」といって風邪をひいた後ににおいが分からなくなることがあります。閉経前後の中高年女性に多く見られます。頭を強く打った際、においを脳へ伝える嗅神経が脳の手前で切れて感じなくなることもあります。

 Q なぜ、においを感じなくなるのでしょうか。

 A 副鼻腔炎では、鼻の中にポリープができるなどしてにおい物質が神経に届かなくなる場合と、白血球の一種の好酸球が出す物質で神経が障害を受ける場合があります。感冒後嗅覚障害は、ウイルスで神経が障害を受けます。いずれも時間はかかりますが多くが良くなります。ただし中には改善しない人もいます。

 Q 年齢とともににおいを感じなくなるのでしょうか。

 A 60歳くらいから男女ともに顕著に嗅覚は低下していきます。嗅神経は再生しますが、新しく生まれる嗅神経の数が減っていき、嗅神経の数が少なくなってしまうのが原因と考えられます。

 Q 薬はありますか。

 A 副鼻腔炎や感冒後嗅覚障害によって少なくなった嗅神経を薬で改善させる方法は確立されていません。しかし、嗅神経の再生や成長を促す物質が特定されつつあり、薬の開発が進んでいます。

 Q 予防はできますか。

 A 生活の中で食事や花など様々なにおいを積極的に嗅ぐようにしてください。におい物質が嗅神経に届くと、嗅神経の生存に必要な信号が活性化します。このことが嗅神経の減少を遅らせることにつながり、予防になります。

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