愛知)足助劇場の解体始まる 映写機は東京で保存へ
臼井昭仁
愛知県豊田市足助町の「古い町並み」にある元映画館「足助劇場」の解体工事が始まった。昭和20年代に建てられ、映画全盛期をしのばせる「遺構」だったが、老朽化が進んで保存は難しかった。映写機は東京の会社に引き取られる見通しだ。
足助劇場は木造平屋建てで、広さ約500平方メートル。地元住民が共同出資して1952(昭和27)年ごろに開館し、主に邦画を上映した。立ち見客が出るほど盛況だった時期もあったが、60年代末に経営難で閉館し、その後は建材会社の倉庫となっていた。倉庫としても使われなくなり、傷みも激しいことから、現在の所有者の平野雅人さん(50)が解体を決めた。
残されていた映画ポスターや台帳などの資料の一部は昨年、市文化財課が譲り受けた。映写室には映写機2台が取り付けられていたが、東京で映画館を経営する会社がインターネットのニュースで知り、引き取る意向を示したという。
平野さんは「地元の愛着の声…