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 全国の自治体で最も人口が少ない東京都青ケ島村(人口163人)でずさんな事務処理による契約が繰り返され、不適正な契約が昨年8月までの3年間で少なくとも44件、総額2億2千万円に上ることが村への取材でわかった。このうち都の交付金は計約1億円含まれており、都は30日から担当者を村に派遣して調査する。

 村は昨年9月から調査し、青ケ島をかたどった立体模型300個の制作(1個5万円、計1500万円)▽ホームページ制作など特産の焼酎拡販(計約2千万円)▽太陽光パネル設置(約3千万円)など44件の契約について、事務処理が不適正と認定した。このうち村内の電気設備会社との照明設置や塗装工事などの契約22件(計約5100万円)はすべて契約書がなかった。ほかにも、理由なく随意契約にしたり、見積書がなかったりした契約もあった。いずれも前総務課長が契約事務を担当していたという。

 村によると、9年前に組織改編し、二つあった課を総務課に統合。副村長はおらず、決裁業務は前総務課長が実質的に一人で担っていた。問題発覚後の昨年9月、前課長は降格。その後辞職して退職金を受けとり、島を出た。

 前課長は降格前、朝日新聞の取材に対し、決裁書に勝手に村長印を押したり、理由なく随意契約を繰り返したりしたことを認め、「慣例的にやっていた」と述べた。

 都によると、都の交付金は44件のうち13件に計約9500万円入っている。また離島活性化交付金など国の交付金や補助金が含まれた契約は4件で計約4500万円だった。

 都は「自治体の契約で、契約書や請け書がないことはあり得ない」と話す。都は村に説明を求め、昨年11月に村から調査結果が報告された。30日からの調査で不適正と確認できた分は村に返還を求める方針だ。

 伊豆諸島の青ケ島は面積約6平方キロ。青ケ島村の一般会計予算は年間約10億円。(中山由美