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 愛知県内の障害者団体でつくる「愛知障害フォーラム」(ADF、加賀時男代表)が16日に記者会見し、名古屋城木造新天守へのエレベーター設置を訴える声明を発表した。名古屋市が示した不設置方針については「一方的で、弱い立場の意見を無視した人権侵害、差別だ」と批判した。

 会見でADFのメンバーは、不設置の方針は障害者権利条約や障害者差別解消法に違反していると主張。「エレベーターは、障害者だけでなく、高齢者、子ども連れの人にも必要だ」と訴えた。

 市はエレベーターの不設置を5月末までに正式に決め、今年11月に文化庁から木造復元の許可を得て、2020年6月に新天守を着工する方針。ADFのメンバーは「バリアフリー検討会議も1回しか開かれていない。このまま突き進むのはやめてほしい」と述べた。近く文化庁へすぐに木造復元の許可を出さないよう申し入れるという。

 「木造化に反対しているわけではない」とする一方で、市が代替案とする「ロボットなど新技術によるバリアフリー化」については、「どういうものか見えていない段階で賛同はできない」とした。

 これに対し河村たかし市長は同日、「ロボット技術はものすごい発展している。(新技術で)1階まで上がれることは保証する。今はコンクリートの博物館があるだけなのが、今度は本当の木製の400年前の姿が見られる。それをバリアフリーと言うんじゃないか」と記者団に持論を語った。(関謙次、堀川勝元)

市議会、少ない反対表明

 名古屋市は15日、名古屋城木造新天守にエレベーターを設けない方針を市議会経済水道委員会に示した。市議会での表明は初。新技術でバリアフリーを実現するとの代替案には「新技術と言って丸め込もうとしているのではないか」(自民市議)といった批判が相次いだ。だが、共産以外の会派からは不設置方針への明確な反対表明はなかった。

 「(新技術など)様々な工夫で可能な限り上層階まで上ることができるよう目指す」との市の基本方針について、「どこまで上がれるのか」などと具体的な説明を求める質問が相次いだ。共産市議が「障害者は(最上部の)展望室までと願っている」と指摘すると、市の担当者は「色々と要望を頂いているが、必ずしも『最上階まで絶対に』ではないと認識している」と答弁した。