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 ブラジル在住の被爆者が15日、長崎市役所や長崎県原爆被爆者援護課を訪れ、現地での医療制度の改善を国に求めるよう要望した。

 長崎を訪れたのはブラジル被爆者平和協会の理事で、サンパウロ在住の渡辺淳子さん(75)。協会には長崎や広島で被爆した会員86人がいるという。

 被爆者援護法により、被爆者健康手帳を指定の医療機関の窓口で提示すると、医療費の自己負担分なしで受診できる。ただ、指定の医療機関がないブラジルなどの海外では、各自で自己負担分の払い戻しを受ける申請をしなければならない。

 ブラジルでは、同協会が申請の手続きを援助しているが、現地の被爆者や協会の担当者が高齢化し、難しくなっているという。渡辺さんは指定の医療機関をブラジルに設置することなどを求めるために来日し、厚生労働省や広島県、広島市なども訪れたという。

 この日、渡辺さんは長崎市役所で田上富久市長と面会。渡辺さんが「安心して過ごすのが難しくなっている。現地治療や指定病院の設置を国にお願いしたい」と話すと、田上市長は「政府に要望する機会があるので、お願いしようと思う」と応じた。

 面会後、渡辺さんは報道陣の取材に「高齢化や認知症で手続きが難しくなり、相談業務もいつまで出来るか分からない」と語り、「最後の一人まで援助してもらえるようにしてもらえたら、安心して後の人生が送れると思う」と訴えた。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(田部愛)