[PR]

 外見では分かりにくい障害や病気のある人が、周囲に手助けを求めやすいように持つ「ヘルプマーク」。富山県は患者らの要望を受け、今夏から希望者に無料で配布する。患者らは多くの人にマークのことを知ってもらい、「見た目では気づかない病気や障害の存在、つらさを抱えている人がいることに気づいてほしい」と話している。

 ヘルプマークは、義足や人工関節を使っている人、妊娠初期の女性や心臓などの病気がある人らが配慮を受けられるよう、東京都が2012年に導入。「全国ヘルプマーク普及ネットワーク」(静岡県三島市)によると、今年4月末時点で20都道府県で配布されているが、県内にはこれまで配布場所がなかったという。

 全身の筋肉が激しく痛む「線維筋痛症」と、生活に支障が出るほどの疲労感が続く「慢性疲労症候群」の患者らでつくるNPO法人「えがお」(富山市)は、講演会でチラシを配ったり、県内自治体に働きかけたりするなどマークの周知活動を行ってきた。

 線維筋痛症を患う理事長の鳥井謙祐(けんゆう)さん(45)は「体内をガラスで引っかかれるような痛み」を常時抱え、あごが痛むときは食事や会話もままならないこともある。しかし、外見からは分からないため、かばんにマークをつけている。車の運転がつらい時などに電車に乗ることがあるが、痛みをこらえていることに「気づかれない」と話す。

 職員の山田直美さん(52)は「目に見えない障害や病気の方が車いすマークのある駐車スペースを使うと、誤解されることが多いと聞く。安心して駐車出来るよう、ヘルプマークも標示してほしい」という。

 県内では、県障害者(児)団体連絡協議会などもマークの導入を県に要望。県の担当者によると「どこで入手できるのか」など、患者らからの問い合わせも多かったという。そこで、今年度予算にヘルプマーク導入費用として160万円を計上。ストラップタイプのマーク5千個を用意し、今夏から県障害福祉課や各厚生センター、市町村の担当課で無料配布する予定。

 また「持っていてもキーホルダーにしか見えなかったら意味がない」(担当者)といい、県は、電車やバスなど公共交通機関の従業員や乗客に、ポスターやステッカーの掲示でマークについて知ってもらう取り組みも進める。

 鳥井さんは「高齢者のように気軽に取りに行けない人もいる」として、郵送でも受け取れるようにするなど、配布方法への工夫も求めている。(竹田和博)

ヘルプマークを見かけたら

電車・バス内で席を譲る

 疲れやすかったり同じ姿勢を保つことが難しかったりする人がいる。

駅や商業施設で声をかける

 立ち上がったり歩いたり、階段を上り下りしたりすることが苦手な人がいる。

災害時の避難を手助けする

 聴覚障害などで状況の把握が難しかったり、自力で素早く避難したりすることが難しい人がいる。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/

※全国ヘルプマーク普及ネットワークの資料に基づく