郷里・広島ゆかりの人たちからも、西城秀樹さんをしのぶ声が上がった。

 西城さんは脳梗塞(こうそく)から回復後の2012年7月、東京・銀座にできた広島県のアンテナショップのオープニングに駆けつけた。県ひろしまブランド推進課長の杉山浩紀さん(48)は「地元のスーパースター。広島のことを考えてくれているんだなと感動した」。少し話しづらそうだったが、周囲のスタッフを気遣い、声をかけていたという。

 原爆が題材のアニメ映画「黒い雨にうたれて」(1984年公開)で、主要人物の声優を務めた。「はだしのゲン」などで知られる漫画家の故・中沢啓治さんの原作。中沢さんの妻ミサヨさん(75)は「(原爆への)怒りが強すぎるぐらいに出た作品でしたが、人気絶頂期に受けて下さった。夫も、『西城さんの広島弁はいいなあ』と喜んでいた」と語った。「頭の片隅のどこかに原爆への思いがあったのではないでしょうか。本当に残念です」

 広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長(93)にとっては、広島市立二葉中学校で数学教師だったころの印象深い教え子。

 学校を休みがちだった西城さんにある時、わけを尋ねると「家では音が響いてドラムの練習ができないので、宮司が常駐していない山の方の神社に行って練習をしている」と話していたという。授業中、最前列で居眠りをしていたときには「けじめをつけろ、後ろへ行け」と叱りつけた。後ろの席に移動して寝ていたが、大目に見たこともあったという。「休みがちでも、成績はいつも中ぐらい。まじめで素直な男だった。東京で成功して、ようがんばったな」(宮崎園子、北村浩貴)