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(18日、大相撲夏場所 6日目)

 東の花道で、阿炎が付け人と拳を合わせる。西の花道を戻る白鵬は、少し右眉を上げ、フッと息を吐いた。初顔の24歳への金星配給。それも惨敗だった。

 「力が落ちているんだろうな」。前日、立ち合いで張り手を見せた白鵬を、横綱審議委員会の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)がくさした。衰えているから、横綱らしく受けて立てないのではないかと。伝え聞いた白鵬は、こう返した。「そんな余裕はない」

 その苦言を意識したかは分からない。ただ、立ち合いでフワッと立った。阿炎に両手突きを食らう。左でまわしを探ったが、強烈な突きに阻まれた。なすすべなく後退、土俵を割った。藤島審判長(元大関武双山)は「稽古なら千番やって千番勝つ相手。甘く見たんじゃないか」。33歳。面食らっても難なく立て直せた以前とは違う。

 5連勝した序盤戦もそうだった。当たりの強い玉鷲と対戦した初日も、張り差しを見せた。攻めこまれるシーンも目立つが、技と経験値をつぎ込んで勝ちをつかみにいく。それだけ、今場所にかける思いは強い。

 自身初となる2場所連続休場からの復帰場所。加えて場所前の巡業中、尊敬する父、ムンフバトさんが亡くなった。千秋楽が、四十九日にあたる。

 連勝は止まったが、取り返しのつかないほどのダメージではない。帰り際の白鵬は「一番、一番です」と淡々と言った。大横綱の底力を見せられるか。(鈴木健輔)

栃ノ心は6連勝

 栃ノ心は冷や汗ものの勝利を拾って6連勝。「焦った。気合入りすぎた」。豊山にまわしを取らせてもらえず、突かれて後退し、土俵を反時計回りに半周。万事休すかと思われたところで、とっさに出た突き落としが決まった。無傷はただ1人になった。「今日負けてたら最悪だったな」と胸をなで下ろした。

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