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 北海道庁が各地の保健所に対して強制不妊手術の数値目標を示し、手術数を増やすよう促していたことが17日、分かった。道がこの日、新たに公開した3168ページの文書に残されていた。

 この文書は1958年、道庁が保健所に宛てたもの。強制不妊手術の件数について、「保健所あたり年間2件程度」と数値目標を示し、「管轄医師の積極的な協力を求めるようにする」などと記されていた。

 強制不妊手術の申請が減少傾向にあった64年、道庁から各保健所長に宛てた文書は、「年度当初以来の申請件数が減少の傾向」だとして、「関係医療機関並びに地区医師会を通じ法第4条該当者の発見に努め北海道優生保護審査会あて申請されるよう」と求め、申請の様式が必要なら連絡するよう呼びかけている。

 強制不妊手術の具体的な金額を示した資料も見つかった。20万2290円(86年6月16日付、夕張保健所)、22万7360円(85年9月19日付、同)、12万3080円(84年1月18日付、北見保健所)、8万8120円(82年1月17日付、同)、10万2410円(78年、同)、14万1270円(87年6月5日付、名寄保健所)など、手術にかかった金額が示されていた。

 ずさんな申請を示す資料も。73年8月の帯広保健所の文書では、子どもと思われる対象者に対し、保護者がはっきりしないまま強制不妊手術を申請していた。保護義務者が確定していない段階で手続きが進んでいる可能性がうかがえる。

 優生保護法の対象者に対する差別的な表現も見つかった。49年、厚生次官(現厚生労働事務次官)から都道府県を通じて保健所長らに送られた文書では、人工妊娠中絶手術の対象者に言及。「生活保護法は素行不良な者やなまけ者には、適用されないので、闇の女や、妾等については、生活保護法の適用はないが、この場合でも本法の要件を充す場合には、人工妊娠中絶を認めて差支えない」などと表現していた。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(片山健志、芳垣文子、斎藤徹)