拡大する写真・図版 石窯の火力調整はまきの置き方で決まる=広島県三原市本町1丁目、上田幸一撮影

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 広島県三原市の旧山陽道沿いの古民家は、窯で焼いたピザが人気のカフェレストランだ。厨房(ちゅうぼう)でピザ生地を回すのは、運営会社「よがんす白竜」社長の高東(たかとう)浩明さん(49)。自動車メーカーのマーケティング担当から転身して、まちのにぎわいづくりを担う。

 中に入ると、古民家と調和した無垢(むく)材の特注テーブルが並ぶ。ボサノバが流れ、くつろぎたくなる空間。地元産とイタリア産の食材を使ったピザやパスタなどが売りだ。

 「開発に取り残されて、人を呼び込むのは大変な場所。それでも地域を元気にしたい、地元の人に喜んでほしいと思った」と高東さん。約1年前、「カフェ・レストランよがんす」としてオープンした。

 元マツダ社員。マーケティング戦略などを担当したが、学生時代からの起業の夢を果たそうと2004年に退社。地元に戻り、13年に運営を始めたのが「道の駅よがんす白竜」だった。「よがんす」は備後地方の方言で、「いいですね」という意味だ。

 山間部への集客は簡単ではない。目的地として来てもらう絶対的な存在感が必要だ。外観が洋館という特徴を生かし、地元特産の大和(だいわ)レンコンを使った石窯焼きピザなどを発案。客層を広げ、3年で来場者が約10倍に。「観光名所」に生まれ変わった。

 市街地の活性化に取り組む会社「まちづくり三原」からその実績を買われ、古民家の運営を打診された。

 「地域の特色を生かし、やり方を考えれば、輝いていける。『よがんす』らしい事業スタイルで、店舗出店や自社ブランドの製品展開へと広げていきたい」(近藤郷平)