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(19日、大相撲夏場所 7日目)

 今は土俵が楽しくて仕方がないに違いない。自己最高位に昇進し、上位に初挑戦の阿炎が前日の白鵬に続いて豪栄道も撃破。横綱、大関戦に連勝した。

 「師匠(錣山親方=元関脇寺尾)に怒られる」という勝負は、両手突きから左に下がりながら、一気にはたいた。「自分の中ではいなすイメージだったが、やはり引いてましたかね」

 事前に決めていた作戦ではなかったという。「仕切っている時(大関の)『押すからな』という気迫を感じた。それで急に変えたので、ああなった。でも思いっきりは出来た」

 連日の殊勲に表情は緩みっぱなしだ。前日は母に電話したところ、「泣いていて、何を言っているのか分からない。自分まで泣いちゃいました」。今度は父に電話するという。「もし、泣いてたら笑っちゃいます。(父の泣き顔は)見たことがないので」

 阿武松審判部長(元関脇益荒雄)も生きの良さを認める。「面白い若手力士がまた1人出てきたね。あの突っ張りは魅力がある」。細身の体形、まわしを狙わず動き回る相撲っぷりは師匠に似ている。もちろん、突き押しの回転の速さや威力は未完成だが、上位に臆しない度胸は本物だ。

 「自信になる。気持ち的に乗ってきた。めちゃくちゃ緊張し、めちゃくちゃ楽しいけど、めちゃくちゃ疲れます」。怖いもの知らずの24歳が、国技館で暴れ回っている。(竹園隆浩)

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遠藤が腕のけがで休場

 新小結の遠藤(27)が7日目から休場し、「右上腕二頭筋遠位部断裂で約3週間の加療を要する」と診断された。6日目に敗れた御嶽海戦で痛めた。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は「痛みがどうなるか2、3日様子を見る。手術が必要だとすれば、早い方がいい」と話した。

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 ●旭大星 栃煌山の圧力に屈し、2敗目。「強かったなあ。何もできなかった。ああいう人に勝たないとダメなんだなあ」

 ●安美錦 6敗目。「しっかり、相撲を取らないといけない。頑張ります」

 ○栃ノ心 不戦勝で、自身初となる初日から7連勝。支度部屋では「いい相撲だったでしょ? 勝ち名乗りが早かった」とちゃめっ気たっぷり。

 ●豊山 横綱初挑戦で、鶴竜を慌てさせる善戦。「横綱はさばきがうまい。でも、自分の納得する相撲が取れればいい」

 ●豪栄道 初顔の阿炎に苦杯を喫し4敗目。前日に阿炎が白鵬を破った相撲が頭にあったかと問われ、「ありました」。

 ○鶴竜 「稽古場でもやっているし、強くなっているんじゃあないの」。善戦を許した一門の後輩、豊山に激励も。

 ●御嶽海 苦手の魁聖に4戦4敗になり、支度部屋でも悲痛な表情。「見ての通りです」。何を聞いても言葉少な。

 ○松鳳山 225キロを投げ飛ばす。「普通は投げに行くと重いのに、きょうは腰を切った時に軽かった。気持ちいい」