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 春季近畿地区高校野球大会大阪府予選の決勝が20日、シティ信金スタであり、大阪桐蔭が関大北陽を9―0で破り、2年連続11回目の優勝を決めた。大阪桐蔭は、26日に兵庫県明石市の明石トーカロ球場で開幕する近畿大会に出場する。

 「おーい、根尾はどこや。取材があるから探してきて」。大阪桐蔭のコーチが選手たちに声をかけた。

 20日にあった高校野球の春季大阪府大会決勝で関大北陽を9―0で破り、閉会式を終えた後のことだ。ロッカーの後片付けを済ました選手たちが球場脇の取材スペースにぞろぞろと現れる中、この日完封勝利を挙げて満塁本塁打も放った根尾昂(あきら)だけがいない。仲間が探しにいくと、三塁側ベンチを最後まで掃除している根尾がいた。

 投打に活躍して優勝を果たした後でも、何一つ手を抜かずにやるべきことをやる。それが根尾という男なのだ。

 試合での存在感も際立っていた。まずは「打」。0―0の三回1死満塁で打席に立つと、2球目の直球をフルスイング。「詰まりましたね」と言いながらも、打球は悠々と右翼フェンスを越えた。

 「投」では、選抜の決勝以来となる公式戦のマウンド。ストライクとボールがはっきりして、本調子とは言えなかったが、点は取られない。六回には1死満塁のピンチも作ったが、そういう場面でこそ、冷静さを発揮できる。三振と投邪飛で後続を断ち、「なんとかゼロに抑えられたのはよかった」と白い歯を見せた。

 先発は前日の準決勝後に言い渡されたといい、「早く投げたい思いがありました。連戦の練習という意識で準備をしました」。野球に取り組む姿勢は常に前向き。本当にうれしそうな顔で、この日の先発マウンドに向かうまでの心境を振り返った。

 この優勝で、26日から始まる近畿大会への出場も決まった大阪桐蔭。府大会ではけがでベンチを外れた中堅手の藤原恭大(きょうた)らも、メンバーに戻る予定。「全員で勝ちに向かう中で、どれだけ勝利に貢献できるか。どんな場面でも貢献できるようにやっていきたい」と根尾。淡々と、そしてやはり、本当に楽しそうに近畿大会への思いを語った。(山口史朗