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 一糸乱れぬ応援合戦が名物となっている体育祭が、武庫川女子大(兵庫県西宮市)で半世紀続いている。その華麗な応援は評判を呼び、NHK紅白歌合戦(1988年)や、のじぎく兵庫国体(2006年)に招かれて披露したほど。今月19、20の両日に開かれた体育祭でも初日に応援合戦があり、6チームが挑んだ。

 「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」。講堂に設けられたひな壇で50人近くの学生たちが声をそろえて、切れのある動きを見せた。音楽に合わせ、白く塗った顔を上下させたり、腕を振ったり。重ね着した上着を、黒からカラフルな色へと変えていく。各チームの持ち時間は6分。演技を終えると、観衆から拍手と歓声がわいた。

 応援合戦は、1965年に始まった体育祭で各学科が繰り広げていた応援が原型で、67年に正式種目になった。当初は、太鼓をたたいたり行進したりと、様々なスタイルがあったという。

 「ひな壇をつくって応援する形は、私たちが始めました」と振り返るのは、68年に入学した同大名誉教授の伊達萬里子さん。近くの阪神甲子園球場のアルプススタンドで春夏の高校野球の時、PL学園(大阪)などが見せていた人文字応援をヒントにした。

 伊達さんたちは当時、グラウンドに机を積み重ねてひな壇を作り、レオタードに身を包んで応援したという。伊達さんは「回を重ねるごとに後輩たちが工夫を加え、洗練されていきました。伝統とは新たな創造を積み重ねることなのですね」と話す。

 今年は、会場がグラウンドから講堂へと変わった。ピーク時の88~90年には16を数えた出場チームも半数以下となったが、教師や栄養士、看護師などを目指す学科の学生が参加。各チームの大半は、入学してきたばかりの1年生で構成されており、上級生が約1カ月、つきっきりで指導したという。

 「応援合戦」は大学側と学生代表が審査。配色や動き、仲間を鼓舞する迫力があるかなどを採点した結果、食物栄養学科のチームが3連覇を果たした。

 同科1年の木田有咲さん(19)は「どう演技すればいいのか、先輩たちが動きを細かく区切って教えて下さったおかげです」と笑顔を見せ、仲間たちと手を取り合った。(高松浩志)