皇太子さまは21日、愛知県を訪れ、明治期に造られた国の重要文化財の水運施設「船頭平閘門(せんどうひらこうもん)」(愛西市)や、明治期の宮廷を彩った工芸品などの展覧会を視察した。ライフワークの水問題の研究や歴史を学ぶための私的訪問。

 船頭平閘門は水面の高さが異なる木曽川と長良川の間を船が行き来できるよう水面の高さを調節する施設で、明治35(1902)年にできた。現在も漁船などが通航する。

 以前から強い関心を持っていたという皇太子さまは「こんなに水位差があるんですね」と驚いた様子。閘門の扉が開閉して水位を調節し、船が通過する様子を興味深そうに眺めていた。近くの木曽川文庫では木曽三川の治水に関する資料なども見学。帰り際、「色々参考になりました」と話した。

 これに先立ち訪れた名古屋市東区の徳川美術館と名古屋市蓬左(ほうさ)文庫では、明治期の宮廷や皇室に関わる品々などを集めた特別展を鑑賞した。昭憲皇太后が着た中礼服を見て「とてもきれいに保存されていますね」と話したという。(多田晃子)

皇后さまは養蚕作業

 皇后さまは21日、皇居内の紅葉山御養蚕所で、蚕(かいこ)が繭(まゆ)をつくるための器「蔟(まぶし)」を、わらで編む作業を行った。稲わらを専用の器具に引っかけるようにして手際よく山形に編んでいき、「リズムができてくると楽しい」と集中して作業に取り組んでいた。

 わらの蔟は一般的な養蚕業では現在はほとんど使われていない。皇后さまは「古いものを残したい」との気持ちから蔟づくりに取り組んでいるという。

 今年収穫される在来種「小石丸」の繭の一部は正倉院に贈られ、「螺鈿紫檀五絃(らでんしたんのごげん)琵琶」の復元に使われるという。(中田絢子