【動画】取材に応じる愛媛県の中村時広知事=大川洋輔撮影
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 学校法人「加計学園」の愛媛県今治市への獣医学部新設をめぐり、愛媛県の中村時広知事は21日、報道陣の取材に応じ、新たな記録文書を参議院に提出した、と述べた。ただ文書の内容は明らかにせず、国会に真相究明を委ねる考えを示した。2015年4月2日に首相官邸であったとされる柳瀬唯夫・元首相秘書官と県職員らとの面会に関する文書で、参院が提出を求めていた。

 出張先の愛媛県伊予市役所で午後5時半ごろから約10分間、約20人の報道陣の取材に応じた。紺色のスーツ姿で、緊張した面持ち。「与党と野党の合意で関連する文書、メモをすべて出してほしいという要請があった。あるものがあれば、提出しないといけないと重く感じた」とし、新文書の提出は要請を重く受け止めたためだと強調した。

 知事は4月、「本件は、首相案件」という柳瀬氏の発言を記載した文書について、いまは県庁内に存在が確認できないとしつつ、県職員が作成したことを認めた。今回は関連する部署や個人ファイルも含めて調査し、新たなメモや文書が出てきたという。

 知事によると10日に参院から文書で要請があり、17日に電話で督促があった。中村知事は、「普通は探すことはない。通常やらないことをやって、出てきたものを正直に出した」と異例の調査を行ったとし、21日午後にメールで提出したことを明らかにした。

 一方、文書の内容は「国会に提出したので私どもが話す話ではない」とし、「その先どう扱うかはわかりません」と国会に対応を委ねる考えを示した。

 15年4月の面会について、10日に国会に参考人として出席した柳瀬氏は、加計学園関係者と会ったことを認める一方、「県や市の職員が同席していたかどうかわからない」と述べた。政府は18日、柳瀬氏が県関係者と面会していたかどうかは「確認することは困難」とする答弁書を決定。首相官邸の訪問者が提出する「訪問予約届」について、個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する必要があるとして、「遅滞なく廃棄する取扱いとしている」とした。

 中村知事は答弁書について「特にコメントはない」と話し、世論調査で柳瀬氏の説明に納得できないという声が多い中で文書を出す意義を記者から尋ねられると、「意義は考えてない」「県はあくまでも正直(に提出した)」と述べた。

 加計学園問題をめぐる国会審議について問われると、「愛媛県も税金を数年間で30億円出す以上、(開学までの経緯を)県民にクリアにしなければならない」と強調。「ちょっともやもやしているのは事実。(国会で)一日も早くクリアにしてもらいたい」と話した。

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 今治市企画課によると、首相官邸への出張の記録文書について参院予算委員会から提出の要請があったが、非開示とする方針を伝えたという。