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 登山家で北海道今金町出身の栗城史多(のぶかず)さん(35)が、エベレスト挑戦中に亡くなった。道内の関係者からは悼む声があがった。

 自身のホームページなどによると、栗城さんは札幌国際大在学時の2004年の北米デナリ(マッキンリー)を皮切りに、6大陸の最高峰と4座の8千メートル峰に登頂。単独、無酸素による高峰登山にこだわり、09年からは「冒険の共有」としてインターネットの生中継登山を始めた。エベレストには今回まで8回挑戦したが、登頂できなかった。12年のエベレスト登山では難ルートの西稜に挑み、登山中に凍傷にかかって手指9本を失った。

 山岳関係者が集まる札幌市中央区の居酒屋「酒房つる」の店主大内倫文(みちふみ)さん(70)はまだ無名のころ店に通ってきていた栗城さんをよく覚えている。南極に挑戦したときのお土産を店に届けてくれたこともあった。しかし栗城さんが有名になり、ここ5、6年はほとんど接触はなかったという。「息子のようなものだった。リスクは必ずあるものだが、無酸素は無謀だった。心配はしていたのだが……」と残念がった。

 出身地今金町に以前あった地元後援会で会長を務めていた白岩利勝さん(75)は、「野球少年で、根性のある子だった」と話す。最後に会ったのは昨年6月。同町の記念行事として栗城さんの講演会が町民センターで開かれ、元気な様子だったという。演題は「NO LIMIT――限界という壁を越えて」。「相変わらず挑戦するんだ、ということを話していた」と振り返った。(芳垣文子、佐久間泰雄)