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 静岡県にある陸上自衛隊東富士演習場の土地を国に貸し、賃料を得ている同県内の一般社団法人と一般財団法人の計10法人が、名古屋国税局から総額約100億円の申告漏れを指摘されたことが、関係者への取材でわかった。2008年の公益法人制度改革に伴い、課税対象になった賃料収入を数年間にわたって申告していなかった。追徴税額は過少申告加算税を含め計約20億円に上るという。

 関係者によると、御殿場、裾野、小山の2市1町には演習場に土地を貸している法人が11ある。以前、所得隠しを指摘された1法人を除き、残る10法人が指摘をうけた。法人の大半は国から年間数億円の賃料を受け取っているが、申告していなかったという。

 公益法人制度改革前、10法人は公益法人の社団・財団法人で、税の優遇を受けていた。公益法人の場合、国に直接貸した土地の賃料は所得から除外され、非課税になる。演習場の賃料も税金がかからなかった。

 制度改革後、10法人は一般社団・財団法人となり、公益法人ではなくなった。引き続き演習場の賃料が非課税とされるには、「特定の個人・団体に特別の利益を与えていない」ことなどが要件になった。

 国税局は、10法人は事務所がある一部の地域に限って寄付や助成をしており、これが特定の個人や団体への利益供与にあたると認定。非課税の要件を満たしていないとして、演習場の賃料は申告が必要な所得と判断した模様だ。

 年間約5億円の賃料収入があるという御殿場市の法人代表は取材に、5年分で計約25億円の申告漏れを指摘されたことを認めた。代表は「演習場による賃料は非課税だと思っていた。税理士にも相談したが、わからなかった」としている。(渋井玄人)