[PR]

 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)など遺伝性の病気の患者・家族会でつくる団体「ゲノム医療当事者団体連合会」の代表理事を務める太宰牧子さん(49)。患者として、家族として、「差別をなくしたい」とがんと向き合ってきました。これまでの歩みと思いを伺いました。

姉も私も。なぜ?

 2008年に1歳上の姉が、3年半の闘病の末に卵巣がんで亡くなりました。2人の子どもを残して逝った姉の壮絶な闘病を目の当たりにしていただけに、「自分もがんになるのでは」と不安で仕方なく、入浴時やベッドに入った後、乳房や腹部をチェックするのが習慣になっていました。3年後の11年、左胸に小さなしこりを見つけました。直径約6ミリ、初期の乳がんでした。

 「なぜ私たちだけが」。そう疑問に思い、ネットで調べてHBOCの存在を知りました。遺伝学的検査(遺伝子検査)を受け、HBOCと診断されました。「原因がわかり、わけのわからない不安から解放されてほっとしました」

だざい・まきこ
1968年東京生まれ。2011年に乳がんがわかる。主婦だった14年に遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の当事者会「クラヴィスアルクス」を立ち上げ、理事長に。医療従事者や国会議員らに遺伝性疾患当事者の声を伝えている。

 HBOCと診断を受けて手術方法も変わりました。通常の初期の乳がんならば乳房の部分切除ですみますが、医師と相談して全摘手術に切り替えました。一方、私の後に遺伝子検査を受けた妹は、遺伝子に変異が無いことがわかりました。

 術後治療を終え、検査通院中だった13年、米俳優アンジェリーナ・ジョリーさんが、自身がHBOCであることと、がんの予防のために左右の乳房を切除したことを公表しました。

患者会を創設

 「不安が軽減されるなら、予防切除も必要かもしれない。国内の他のHBOCの患者さんは、どう考えているんだろう」。同じ病気の人と意見交換したかったのですが、どこに行けば出会えるのかわりませんでした。乳がんの患者団体は多くありますが、予防切除のことなどHBOCならではの特有の悩みもあります。HBOCの当事者団体が国内にないのなら自分で作ろうと、術後治療が終わった14年、患者・家族の会「クラヴィスアルクス(ラテン語で『虹の世界を開ける鍵』の意味)」を立ち上げ、サイトも作りました。

 当初は、匿名で活動していました。医師から「日本では遺伝性の疾患だからどんな差別を受けるかわからない」と助言を受けていたからです。しかし、反響はほとんどありませんでした。「代表の私が匿名では、どんな人が運営している団体かわからず信頼してもらえないのでは」と考えるようになり、15年に実名を公表しました。

 それから徐々に、全国の患者や…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら